夜の浜辺に捨てられる子ども
前には海、後ろには山といった自然が豊かで身近というのは島の魅力でもあります。
私の家は海まで50メートルといったところにありました。
ちなみに皆さんは、街頭のない田舎の真っ暗で夜の海を見たことはありますでしょうか。
子ども時代の私にとっては、それは闇の引力を持っているかと思うほど不気味なものに感じていました。
そして私はそんな海のきわ、浜辺に捨てられたことがあります。
何をやったのか正直覚えていませんが、私に対して怒り狂った母親は、横手で泣きじゃくる私を抱えながら、
母:お前なんてもういらない!!!
と、夜の浜辺に捨てていきました。
家からそのまま連れてこられたので裸足のままです。
ちなみに浜辺はきれいな砂浜ではなく、ごつごつした砂利浜でした。
泣きじゃくりながらも裸足で家に帰り、玄関に着くと、玄関は鍵が閉められていました。
私:開けて!
大声で玄関のドアをたたきながら何度も叫びました。
何度も何度も叫んだ甲斐があり、ガチャと玄関の鍵が開きました。
母:うるさい!!!近所迷惑になるだろ!!!
と私を家に入れました。
何か母の気に障るようなことをすれば私は捨てられるんだということを学びました。